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 警評辛言 −色彩感覚ー


  色に対する感受能力のことで、おしゃれな人
  たちを「色彩感覚に優れている」などという。
  単に一つ色であっても、 その濃淡の組み合
  わせで豊かな色彩を感じるのも見事な色彩
  感覚能力であろう。現代は色彩の時代をい
  われ、色の種類は無数に増え、心身の健康
  維持、労働の能率増進、災害の防止などに
  役立たせるため、 色彩調節が大きく普及し
  てきた。



 だからといって昔の人が劣っていたかというと、
 どうもそうではないらしい。 例えば「利休鼠」な
 どという、若草色と灰色の中間のような微妙な
 色を貴重なものとした茶人たちなどを考えると、
 いつの時代にも色彩感覚に優れた人はいたよ
 うに思える。そして「湖(うみ)くれて鴫(しぎ)の
 声ほのかに白し」 と詠じた松尾芭蕉に至ると、
 鳴き声などの音響にまで、 先人たちは色を感
 じ取る能力を持っていたと思わざるを得ない。
 そういえば 「真っ赤な嘘」 や 「黄色い声」 とい
 う表現も昔の人の色彩感覚による表現だろう。
 あらゆることに切実な色を感じ、豊かに表現で
 きる色彩感覚に優れた時代を迎えるためには
 まだまだ昔の人に学ぶ必要がありそうだ。


       (月刊警備評論 警評辛言より抜粋)


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